<<< 前の画面へ戻るお問い合わせサイトマップTOPページ
  新連載・エクセレントカンパニー
  成長注目企業の社長に聞く
日本伸管(株)代表取締役 細沼 哲夫 氏
会社プロフィール
企業名
日本伸管株式会社
資本金
6,750万円
従業員
148人
設立年
昭和42年9月
事業内容
アルミニウム管
合金管
アルミニウム棒の製造・加工販売
超硬質アルマイト処理・加工品販売
WEBサイト
活力ある21世紀の担い手はエクセレントカンパニー  意欲ある戦略的な経営者に登場して頂いた
チャレンジ精神が人と企業を成長させる
会社を創業された当時のご苦労は
画像 脱サラでして、独立した方が性格的に合うと思い、それまで勤めていた中小企業から昭和42年に独立し、伸管業を始めました。1年目から計算していた以上に受注が順調で、1年目から昨年までの38年間、赤字を出したことがありません。強いていえば、これが当社の特徴ですか。順調にきたので福島県白河に土地を買い、工場を操業した昭和51年に不渡りをつかまされ、約1億円の損をしました。人を信用し過ぎて、個人でも会社でも損をした経験があります。これが失敗といえば失敗ですかね。

このセッションの動画ファイル(ASX)をご覧になれます

沿革

小さな世界一企業を目指す
私共では、昭和42年の創業以来、アルミパイプの抽伸メーカーとして、多くの分野で独自の技術を開発し時代の要請に応えてきました。

特に、アルミパイプの抽伸―加工―表面処理までを一貫して行う事で、コスト低減を実現し、品質の保証とともにお蔭様でお客様から大きな信頼をいただいております。

弊社では常にエンドユーザーの皆様のニーズに耳を傾け、先行開発をするよう心懸けておりますが、そのことが当社の個性につながったと自負しております。

また、海外においてはBA TUBES LIMITED(イギリス)、オランダXEROX社とお取引させていただいております。海外への輸出、技術供与もいたしており、研修生の受入れ実績もございます。

これからもアルミパイプを中心とした専門メーカーとして、「小さな世界一企業」を目指して全社員一丸となって頑張ってまいります。

「他社にない技術で産業社会に貢献する」というのが企業理念ですね
画像 もともと伸管業者、伸銅業者は埼玉県の朝霞地区に多く集まっていました。それぞれ二十数社ありましたが、今日では、朝霞地区の伸銅業者はほぼゼロ、伸管業者は3分の1に減ってしまいました。これは、後継者に恵まれなかったり、時代に即応したことをやってこなかったりしたためと考えています。伸管業者は材料を買ってきて、安い加工賃で加工していたため、付加価値が低かった。人と同じことをやっていたら絶対に発展しないと思い、本業の金属加工に加え、思い切って表面処理の特許を買い、この分野に出ました。化学分野は、畑違いですから同業者はどこも手がけない。さらに、機械加工にも進出するなど、他社のやらない分野に先行投資をしてきました。
 また、どう付加価値を高めるのかを考え、例えばパイプを作ってもキログラムで売るのではなく1本単位で売る、削っていたものを削らないで作りコストを安くする、丸管だけでなく異型合金パイプや異型棒などの引き抜きのものを手がけるなどの努力を続けてきました。製造設備も社内で試行錯誤しながら、当社にしかない設備を作ってきました。何とか付加価値を高めようと画像 知恵を絞れば新しい考えが出ます。そういう努力が10年間がかりで段々軌道に乗ってきました。今、ミクロン台の製品精度を出すことができます。こうなるともう同業他社に負けることはありません。本格的に当社が伸びるのはこれからと考えています。
 中国に工場進出の話がありますが、当面、進出は考えていません。それよりも国内でしっかりと世界で勝てるものを作っていきたい。安いものも自動化していけば決して中国に負けない。精度が違い、品質が違い、しかも量産ができたら中国に行かなくてもいいと思っています。

このセッションの動画ファイル(ASX)をご覧になれます

南極で100万年前の氷を取り出すのに貴社のパイプが活躍したとか
画像
 地表から氷を3000メートルの深さまで掘るにはパイプが真っ直ぐでないといけない。国立極地研究所が大手メーカーに当たったが断られて、当社のホームページを見て依頼してきました。パイプは真ん丸で、真っ直ぐで、しかも中にリブを均一に付けなければならない。こうしたノウハウを大手といえども持っていない。社員がみんなで、よしやってみようと取り組み、初めに思っていた以上にいいものができました。中小企業は人がやらないことに挑戦することで、その経験をほかの分野に生かしていくことができます。

このセッションの動画ファイル(ASX)をご覧になれます

生産技術情報
多様なユーザーニーズに独自の技術開発。抽伸−加工−硬質アルマイトの一貫生産体制を拡充しアルミ管を主体にした総合パーツメーカーです。
製品
特殊抽伸技術の製品
  高精度技術の製品
  異形引抜技術の製品
  高精度(振れ)異形材の製品
国立極地研究所が南極の地下にある氷を採取する「南極氷床深層掘削計画」のために開発した新型ドリルの改良版に、このパイプが採用されました。
   クラッド技術の製品
クラッド技術の製品
加工技術の製品
アルマイト(表面処理技術)の製品
アルミの特性

製品の数がずい分ありますね
画像  多いのは複写機のコピードラム、カメラの交換レンズの胴体部分、自動車部品、農機具、印刷用ローラーなどです。おそらく交換レンズの分野ではシェア50%以上を占めています。こうした分野は、量は少ないが種類がたくさんあるので大手は手を出せない。中小企業が大手と競合しないで生きる道です。新幹線の車体技術でも当社しかできないものがあります。新幹線はオールアルミですが、アルミとアルミの部分をネジ止めすると、震動でネジが緩んでしまう。当社の引き抜き技術でアルミの中に鉄を入れて締めるとしっかり締まります。こういう独自技術をみんなで考えるようにと言っています。

このセッションの動画ファイル(ASX)をご覧になれます

ISOを外部に頼らず、自社で取得したそうですが
画像 ISOについては社内に審査のできる人間を育てました。その人が中心になり、社内で勉強して取りました。自社で取得したから、取ることが目的のISOではない。品質管理・保証の9001では、自分たちはどうやったら、お客様にいい品質で、納期通りに納められるのか、自ら考え、できるようになりました。これは非常に良かったと思います。
 自分たちでISO取るという意欲も大切ですが、その前に人間として大切なことは挨拶と思っています。これがすべての基本だと。帰るときも私から挨拶をしています。毎年、新人を5、6人とっていますが、よその入社式と一つ違うところがあります。高卒、大卒ともに入社したら命令することがあります。それは初めて給与をもらったら、最低半額、できたら全額を、両親に並んでいただいて「長いことお世話になりました」と渡すようにと。これをレポートで出させています。親が涙を流して感動する姿を見て、本人は親孝行をしなければいけないと感じるようです。

このセッションの動画ファイル(ASX)をご覧になれます

コピー機
複写機のコピードラム
カメラ
カメラの交換レンズの胴体部分
自動車
自動車部品
農機具
農機具
ISOロゴ
本社・本社工場では、「お客様に最適品質を提供しご満足いただく」事を方針として2000年7月初旬にISO9002活動のキックオフを行い、2001年4月9日にアルミ引抜業界で日本初のISO9001:1994の認証を受けました。

取り組みの目的は「お客様に信頼されること、確かな品質で事業拡大に結びつけること」です。

更に、2003年2月25日にISO9001:2000への移行審査を完了し、同4月に認証を受けました。初期の活動の基本は「お客様に喜んで頂ける日本伸管(株)になる事」を品質システムで構築し、全員がルールを守ることを徹底実践して参りました。

2004年12月には、白河工場もISO9001:2000の認証を受けました。

2000年度版の認証により更に日々、改善活動を進め、より確かな品質システムに仕上げ確実な商品を提供し、「お客様満足度向上」に益々、本社・本社工場全員が取り組んで参ります。

日本伸管株式会社本社にて  代表取締役  細沼 哲夫 氏
聞き手 財団法人経済産業調査会編集特別顧問  岡村 信克

この記事は当会の 会員資料 および 経済産業公報(2006年 7月 7日号)に掲載されます。
このサイトの動画再生環境について
・このページの動画コンテンツは Windows Media Player(TM) に最適化されています。
・回線状況によりスムーズに再生されない場合があります。

 info@chosakai.or.jp
 http://www.chosakai.or.jp/

無断転載を禁じます 財団法人経済産業調査会
Copyright 1998-2006 Reserch Institute of Economy, Trade and Industry.